話題の技術を学ぼう! 新技術習得支援制度

2024年3月25日

弊社には新技術習得支援制度という全社員対象に、同じ興味を抱く仲間とともに、専門性深耕や新しい技術習得を主体的に進めるアクティブラーニングの環境構築や支援を行い、将来に向けての自発性・スキル向上・生産性向上などワークエンゲージメントを高めることを目的とした制度があります。

本制度は

  • 新技術の知識を「研究、知る」を支援する。
  • 新技術の知識を「発揮する、試す」実証の機会を支援する。
  • 自分の「能力向上・専門性深耕」の主体的学びを支援する。

としておりますが簡単に言えば
「仕事には直結しないけど、新しい技術や注目されている技術をみんなで楽しく学ぼう!」
といった制度です。

2020年からスタートし、今年度で4回目の活動となりますが、2024年3月に最終報告会が先日終了しましたので、その模様をこのTech&Funでもご紹介しようと思います。

参加者総数:117名(2020年~2023年)
テーマ数:2020年8テーマ、2021年8テーマ、2022年8テーマ、2023年6テーマ
参加地区:北海道、山形、東京、大阪、福山、福岡

2023年4月に事務局で選定した、6つのテーマに対して北海道から福岡までの社員33名が参加しました。2024年3月までの1年間の活動報告として、最終報告会を本社加賀町ビルで実施しました。

  • ChatGPT(mirai AI)
  • OpenAI API
  • GitHub Copilot
  • ボリュメトリックビデオ
  • WebAR
  • DNPで活用しているAIツールの価値向上

ChatGPT(mirai AI)チームは、

「業務効率化のためのプロンプトエンジニアリング」をテーマとし、
ゴール目標を
議事録の作成や見積もり補助、自社ソリューションの問い合わせ対応など、ChatGPT(mirAI)の可能性を具体化し、日常業務での生産性向上につながる利用方法を考案・報告することとしていました。
最終報告としては、

  • ChatGPTの利用で有効な質問が把握できた
    • 日本語よりも英語の理解度が高い
    • プロンプトに不足している内容や、課題解決に必要な情報を質問する
    • データや出力の一例を与えることで、欲しい形式で回答が得やすい
    • 用語を知っているか確認してから、プロンプトに使用する
  • mirAIの利用でいろいろな入力パターンを考えることができた
    • GPT-3.5と4でかなりの違いがあり、より正確さを求める場合などは使い分けが必要
    • 厳密/バランス/創造的 の出力の違いについて実験

とし、今後も探求していきたいとのコメントでした。

OpenAI APIチームは、

「OpenAIの知識獲得と実用化を見据えたユースケースを検討、PoC開発・評価を行なう。」ことをテーマとしていました。
最終報告では、
OpenAIは、一般的な質問に対する回答を得ることは可能であるが、社内情報のようなモデルに無い情報について、利用ケースに沿った独自データを用いることで、比較的容易に拡張することが可能なことを学ぶことが出来た。
検索精度やハルシネーションといった問題があるので、広く採用するには難しい面はあるが、何かしらの管理画面のような特定の担当者しか利用しない場面などについては利用が出来そうな印象を持った。
1対1のような単純なデータについての受け答えでも正確な答えを得ることは当初想定していたよりも難しかったが、質問の仕方により精度が大きく変わることがわかり、その重要性がわかった。
Azure OpenAI Serviceを利用することで容易に検索手法、各種パラメータ設定の変更できることを確認できた。また、データの質を整えてあげることで精度が向上することも確認できた。
との研究成果となりました。

GitHub Copilotチームは、

「コーディングのアシストを行う「GitHub Copilot」についての学習&調査を行う」こととし、実用性や価値について報告&展開すること。をテーマとしていました。
最終報告では、

  • 様々なバックグラウンドを持つメンバーからの評価はおおむね良い
  • 実装時間は短縮できるとほぼ全員が強く感じている
  • 適切な使い方がとても大事な印象を受けた
  • 利益・危険性をよく知る必要がある

「効果を最大限に引き出すため」に最適な使い方を学ぶ必要があることと、「リスクを最低限にするため」に安全な使い方を考える必要がある。
あくまでもCo-Pilot(副操縦士)であり、Auto-Pilotではない
としました。

ボリュメトリックビデオチームは、

「ボリュメトリックビデオの撮影に必要な知識の習得と将来への活用を視野に活動を行う。」ことをテーマとし、ボリュメトリックビデオ撮影に必要な技術やノウハウを習得・扱うことができるようになること。習得した技術を元に活用方法(どういった価値を提案できるか)を検討し発表ができる状態にすること。を目指しました。
最終報告では、
デモも作成し、実用化案も検討しましたが、まだまだハードルの高い技術であることと、かなりの費用が発生することを実感したようです。

WebARチームは、

「空間コンピューティングの手段の一つであるWebARについての知識の習得および将来の活用」をテーマとし、
時代が進み利用するハードが進化したとしても(視界にARを表示する網膜投影や触覚などの五感を共有できる感覚共有など)魅力的な提案ができるのではないか?という考えに基づき活動しました。
最終報告では、
3DCGアニメーションなどARとして表示させるコンテンツの作成方法の習得

  • エフェクトなど用いた演出面の習得
  • 今後新しく出る、AR手法・技術についての調査

まで実現し、WebARを使った空間コンピューティングのコンテンツを提案するにあたり、マーカ型、マーカレス型のARの知識を身に着けることができ、引合いの内容によって最適な提案をできるようになりました。

DNPで活用しているAIツールの価値向上チームは、

「OCR精度向上、物体検知、自然言語処理について学習し、AI審査PFのサービスに組み込みPoCを通して評価を進めていく」ことをテーマとし、

  • OCRの精度向上
    GoogleVisionAPIを活用した読み取り精度を向上させるためのチューニングを実施する
  • 特徴点検知
    ロゴやバーコード等の検知に活用する
  • 自然言語処理
    構文チェック等で不要な指摘が出ないようチューニングを実施する

を目指しました。

最終報告では、
本活動を通して、精度向上についてのノウハウを蓄積することができた。また、OCR精度向上や自然言語処理については、実際にPoCを実施することができた。
OCR精度向上についてターゲットとしていたデータについて効果は確認できたものの、逆に精度が低下している対象も発生したため、適用範囲を判定するなどの追加対応が必要。
自然言語処理については想定通りの結果を得ることができた。得意先や事業部でもAIに対する期待が大きく、結果に対しても高い精度を求められるケースが多いと感じる。ニーズに応えられるよう引き続き研究の方を進めたい。と発表されました。

最後に、弊社代表取締役の内田社長から講評を頂きました。
それぞれ6テーマを聞き、非常にどれもみんな面白かったと思って聞かせてもらいました。皆さんによく考えてほしいことが2つありまして、1つは、我々DDSはSI事業者として、今後、利益を出すために何を自分たちが作れるかということを意識して、特にこの技術の部分であれば、自分たちの利益を作っていくという観点を主眼にしてほしいというのが1つです。
もう1つは、技術であればいろんなものが出てくると思いますけれども、ぜひ我々の組織の中でナンバーワンもしくはパテント(特許)のような技術を生み出し、全体でなくてもいいので、どんなパーツでもナンバーワンになるものとか、そういう技術を作り、最終的な収益になるような事業ができるようになればと思いますので、頑張ってほしいと思います。
はい、本当にお疲れ様でした。面白かったです。

今後も継続して、新技術習得支援制度を活用した技術探求を行っていきたいと思います。

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