新入社員研修にAIロボットカー「AWS DeepRacer」を活用
2023.08.04
DNPデジタルソリューションズでは2021年からクラウド、AI/MLの学びを目的として新入社員研修にAWS DeepRacerを活用しています。
これまで、世界中で毎年行われているAIモデルを競う大会「AWS DeepRacer League」にDNPデジタルソリューションズの社員が参加し、クラウドやAI/MLのテクノロジーを楽しみながら学んできました。
DNPデジタルソリューションズのAWS DeepRacerの取り組み
DNP の DX を支えるデジタル人材育成 AWS DeepRacer で楽しみながら AI を学ぶ
そこで得たスキルや環境、ナレッジを活かし、新入社員研修の一部カリキュラムとして実施したのでご報告いたします。
開催期間は2日間、グループワークで仲間と学ぶ
AI/ML、AWSの使い方、AWS DeepRacerについて、AIモデルの作り方、などの講義学習した後は、どういうモデルがよいか?をグループで作戦を立てながらAIモデルを作成するチームもあれば、各々でAIモデルのトレーニングに挑み、結果をチームに共有、持ち寄るなど、さまざまなチームがありました。
グループワークの一コマ
AWS DeepRacer Leagueと同じコースで本格的なレース体験
本場のAWS DeepRacer Leagueさながらの環境、ルールで走行タイムをグループ対抗で競い優勝を目指します。
走行レースでは、AWS DeepRacerを操作する人(注:スピードの加減調整しかできません)、コースアウトした実機カーをコース上に戻す人、社内へのオンラインライブ配信でレースの様子を実況する人など、チーム内で役割分担をしました。
走行中は実機カーに声援をかけ、カーブをうまく曲がれると拍手や喝采の声があがり、コースアウトで落胆の声が漏れ、新入社員のみなさんが夢中になっていました。
走行レース中のAWS DeepRacer
バーチャルとリアルのギャップからの学び、試行錯誤を繰り返す
AWS DeepRacerで強化学習を学ぶ魅力の一つに、シミュレーション環境でトレーニングしていたAIモデルを、実世界の環境に落とし込んだ際のギャップ、難しさを感じることができます。
そのため一回でも多く、仮説検証と修正の繰り返しをすることですこしずつ精度を高めていくことができるように、研修では2日間のうちの1日半の時間を強化学習トレーニングと実走行の時間にあてていました。
機材トラブルなど、シミュレーション環境では起きないハプニング(!?)もありましたが、それも含めて現実世界では技術力だけで全て収まらない、あらゆるところにピンチやチャンスがあることも体験してもらえたのではないかと思います。
新入社員のみなさんの感想
研修終了後の新入社員のみなさんの感想を一部ご紹介します。
- 作成したモデルを実際に走らせるとうまくいかないこともあったが、どんどん育っていく様子にとてもわくわくしながら研修を受けることができた。
- 今回初めて機械学習に触れたのでわからないことも多かったが、学習させたものがコース通り進むと、達成感を非常に感じることができた。
- もっと「実走→改善したモデルの作成」を繰り返したかった。
- 結果は3位で悔しい気持ちが残りましたが、久しぶりに優勝を狙って闘志を燃やしました。
- AWS DeepRacer研修を通して、AIは案外地道な技術であると感じました。
- シミュレーション・学習を行い、モデルを作るということですが、やはり現実とのギャップがあります。DeepRacerであれば速度とハンドル角度の調整や良い報酬関数など自分たちで発見していくということの大変さが分かりました。
- チームワークの大切さや、ただ繰り返し学習させれば良い機体ができるわけではないことを学ぶことができました。
- AIに学習させることを実際に体験して、学習機能がとても便利で効率が良いなと思う反面、人間がバーチャルとリアルの世界の感覚を調整する必要性も感じ、面白かったです。
技術ブログSNS 「Qiita」にも新入社員の感想ブログを掲載しているのでこちらも是非ご覧ください
初めてAWS DeepRacerに触れてみて
(株式会社DNPデジタルソリューションズ dnpds-akaike)
報告は以上です。
DNPデジタルソリューションズは今年も「楽しみながら学ぶ」を合言葉に、AWS DeepRacer による人材育成、風土醸成を行っています!
Written by Ayako NAKAMURA
Photo by Ryoichi ARAKI